チャールストンってジャンルなの?!


【チャールストンとは?】

BreakinやHipHopやSoul Danceでも使われる

お馴染みのステップ、チャールストン。


膝をくっつけて内股で足首を

内側と外側に動かしながら前後に歩くステップ。


ストリートダンサーの間では

クラブステップやランニングマンに次ぐほどポピュラーで

ダンサーでなくともTikTokなんかでも見かけたりする。


それどころか

お昼の3分クッキングでお馴染み

キューピーちゃんですらよく見れば

番組冒頭に例のテーマ曲に合わせて

チャールストンを踏んでいるではないか!


そんな赤子ですら知っているこのチャールストン。

単なるステップの名称ではなく

一つのジャンルである事を知る人は少ない。


実はチャールストンはスイングジャズで踊る

『スイングダンス』と呼ばるダンスの中の1ジャンルで

とても多くのバリエーションがあったのです。


👆の動画はチャールストンの代表的なダンサー

『Ksenia Parkhatskaya』

この他にもチャールストンのレクチャー動画や

パフォーマンスの動画も沢山出しています。


👆の動画はスイングジャズの名曲

ベニーグッドマンのSing Sing Singで踊るショーケース。

ペア振りもめちゃくちゃかっこいいです。



【もう一つのジャズダンス】

このスイングジャズで踊るダンスは

言ってみればジャズダンスなのだけど

ジャズダンスというと一般的には

バレエから派生したジャズダンスがあまりに有名。


そこで区別する為、ジャズミュージックで踊るジャズダンスは

『オーセンティックジャズダンス』(Authentic Jazz Dance)

と呼ばれているそうです。


このジャズダンスは1920〜1960年代の

ジャズミュージックがロックンロールに

変化していく頃に踊られていたもので

チャールストンはその中でも

1920年代当初からある古いスタイルだそうです。


👆の動画は1920年代のチャールストン。

この動画を観るとヒップホップ言うところの

パーティーマシーンやポップコーンも

この時代に存在していたのかと驚かされる。



【現在のスイングダンス】

このスイングダンスは誕生から100年以上経った

現代でも世界中で愛されており

国際的なコンペティションもコロナの影響で

オンラインになったりしながらも毎年開催されている。


そしてこの国際的なイベントである

『Jazz Roots』の2019年のソロ部門では

日本人ダンサーが延長戦の末、

準優勝という好成績を収めている。


ちなみにそのダンサー、Nakajiさんは

元ストリートダンサーでヒップホップを踊っていたそうです。


👆の動画はJazz Roots2019の映像。

件のNakajiさんはこの動画の3番目に登場します。



【チャールストンの与えた影響】

20年代に生まれたチャールストン。

70年代にはソウルステップやブレイキンに取り入れられたり

80〜90年代にはニュージャックスイングのステップのベースになったり

2010年代になってもEDMで踊るシャッフルダンスとして

またまたチャールストンが登場している。


1920年代に生まれて以来、

100年後の2023年現在まで

音楽やジャンルや名前を変え

何度も転生してはブームになっているのは面白い。


👆の動画はA〜Zのアルファベット順に

ジャズステップを紹介するもので

ハウスやソウルダンスのご先祖様達であろうステップが

沢山紹介されていて興味深いです。

そしてこんなかっこいいおじいちゃんになりたい。


これは自分個人の推測ですが

現代のリズムダンスの常識である

裏拍のエンカウントを取る概念は辿っていけば

ヒップホップやR&Bの元になる

ファンクやソウルミュージックのさらに前のルーツとなる

ジャズミュージック特有の

裏拍にアクセントがあるリズムの取り方から

来ているのではないかと考えています。



【ペアでも楽しめるスイングダンス】

先程から紹介している動画にも

ちょいちょいペアで踊るシーンが出てきていますが

『リンディーホップ』という

自由度のとても高いペアダンスがあり

このリンディーホップはチャールストンをはじめ

様々なダンススタイルを合わせて踊るもので

パートナーを飛ばしたりする

アクロバティックで激しく踊ることもあれば

スローなナンバーでお洒落にしっとり踊ることもできる。


👆の動画はおそらくLindy Hopで最も有名な映像の一つ。


人、ぶん投げすぎ。笑


初めてみた時はとても衝撃的でした。

なんかもうトムとジェリーとかアニメみたいで

実写の人間やる事には思えません。



このエアステップやエアリアルと言われる

パートナーを持ち上げたり空中で回したりする技は

ブレイキンちょいちょい見かける組技的なルーティンにも

引き継がれているように思う。


👆こちらもペア。

ロックダンスでお馴染みのスプリットやブレイキンのフリーズまで取り入れている。

そして何より驚くことは

このパフォーマンスはなんと即興。



【誰とでも楽しめるカジュアルなペアダンス】

このリンディーホップは基本的に

即興で踊るカジュアルなペアダンスであり

イベントでは参加した初見の人同士が

その場でペア組んで踊ります。


一曲終われば

「ありがとうございました!」

と別れて次の曲には

「お願いします!」

と、また別の方と組んで踊ると言った感じ。


男性リードの女性フォローが多いですが

リードとフォローの役割が逆であっても

同性でペアを組んでも全く問題はありません。


【実際にイベントに突撃してみた】

自分は全くの未経験でイベントに突撃しましたが

オープン前に簡単なレッスンがあり

未経験でも楽しめました。


その日来た参加者同士が自由に踊って楽しむイベントを

『ソーシャル』と言うらしく

ソーシャルでは大概、未経験者も楽しめるようにと

レッスンがあり、無料であったり格安で受けられる事が多い。


レッスンでは基本的なステップや

リードやフォローの仕方に加え

相手の不快になる行為や

フロアで他の人の迷惑になってしまうNG行為など

社交の場におけるマナーについてのレクチャーもありました。



【ジャズバンドの生演奏】

いくつかイベントに行きましたがどれもジャズバンドのライブの時間があり

そのバンドの演奏で踊ったり、演奏を聴きいて踊っている人達を眺めながら

お酒を飲んでいるだけでもとても楽しく幸せな時間でした。笑

ソロでもペアでも踊れるしゆったりと楽しむ事も出来るので年齢を重ねても長く楽しめる。

馴染みのあるステップも多く、

身体を激しく使ったパフォーマンスにも慣れているストリートダンサーにはとってもおすすめしたいジャンルです!



ーおわりにー


近年ではブレイキンがオリンピック競技にもなり

ヒップホップダンスが中学校の必修科目になったり

ストリートダンスはもはや今、世界で最もポピュラーなダンスと言っても過言ではない。


そんな現代のダンスに多大な影響を与えた一つである

チャールストンをはじめとする

このジャズダンスは世界中に踊る人はいながらも

日本で認知度はあまり高いとは言えません。

もしこの記事を読んで一人でもこのダンスの存在を

認知する人が増えたなら嬉しいです。


そしてチャールストンやリンティーホップのみならず

この世界にはみんなが知っている有名なものもあれば

まだまだ魅力があまり知られていないダンスや文化が沢山あります。


BASEMENT MAGAZINEではメジャーマイナー問わず

ダンスや音楽やそれにまつわる文化について取り上げていきたいと思います。



ライター:KSK

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